2007-04-10

大館アートユニット「ゼロダテ」展

この間、KANNDADAでお会いしたコマンドNのアーティスト中村政人氏。
秋田出身だそうだ。秋田県大館市。奇遇です。

大館アートユニット「ゼロダテ」展
期間:2007年1月27日(土)~2月17日(土)
http://commandn.net/new/kandada_019_023/index.html
http://www.zero-date.com


大館には、100年以上続く「正札竹村」という老舗デパートがあった。
郊外の大規模店の進出により、平成13年に倒産。デパートは街の真ん中で廃墟となった。

それから、5年。三人の大館出身のクリエーターたちが、アートユニット「0/DATE」(ゼロダテ)を結成。
彼らは、大館(オオダテ)を「0/date」ゼロ・デイトと読み替えた。
彼らはこのプロジェクトで、シンボルを失った地元を見つめ直し、街が新たに前に進むことを目指している。

展覧会場には、「正札竹村」で使われていた商品券や職員が使っていたさまざまなものを持ち込み、シンボルとなる巨大な看板を設置している。当時を知っている人は、感傷的になりそうな素材。
壁に並んでいる漫画はプロジェクトに賛同した大館市民を描いたものだそうだ。


そして、廃墟となったデパート内部を撮影したビデオ。約30分。
アーティストの一人の石山さんが、全部見なくていいよと言っていたが全部見た。
大館に行ったことはないし、デパートも知らない。でも、その場から立ち去れなかった。
かつて憧れだった場所の荒れ果てた映像。田舎ゆえの問題。秋田の現実。
「田舎っていいよね。帰らないの?」と人は言うけど、何で私がここにいるのか、ビデオが代弁していた。
秋田出身の人なら、誰もが胸の奥底が痛くなるに違いない。
大館はこれで終わりなのだろうか。いや、それでいい筈はない。
新しい明日の大館を作るのは、大館自身。
現実を見据えない限り、本当の意味で前には進めない。
新しい大館のために、プロジェクトは始動したところだ。

この企画は、秋田県大館市という凄くローカルなエリアで行われているプロジェクトだ。
でも、そこには秋田、田舎、商店街などさまざまなコミュ二ティの姿も投影されている。
ローカルな活動から見えてくるグローバルな視点。
アートも活力も都会のものだけじゃないということを具現してくれること、期待してます。

2007年2月10日(土)17:00~21:00
あきたこまちのおにぎり+いぶりがっこ&1ドリンク 1000円)
映画「好きだ、」(大館市撮影)上映と監督(大館出身)のディスカッション

(2007/02/05)