雀の子
子スズメが巣立ちを迎えるこの時期。
鳥の世界にも、できの悪いヤツはいる。
動物の世界は厳しい。
職場のガラス柵にぶつかって、息絶えた哀れな子スズメ。
またかと思ったら、その子はひっくり返ってジタバタしていた。
右足を怪我している。
しかも、全く鳴かない。
野鳥は拾ってはいけないが、このままだと猫の餌だ。
家に連れて帰ることにした。
スポイトで無理やり水を飲ませたら、喉をゴクゴクさせて飲んでいる。
子供のころ、インコの餌をあげて自然に帰したことがあった。
お湯に浸した粟・稗をくちばしの先に押し付けたけど、まったく無反応。
餓死しちゃうよ。
次の日、アヤちゃんがやって来た。
「スズメにあげるミミズ取ってきて。」と頼んだら、バッタとダンゴムシを捕まえてきた。
目の前に置いてあげると、すごい勢いでバクッ!バクバク!
やっぱり、生きた餌かー!と、バッタ3匹、ダンゴムシ1匹捕ってきたら、一度に口に入れてムシャムシャ食べ始めた。
元気が出たのか、アヤちゃんが箱から出してあげあたら、ピョンピョンと片足を使って飛び跳ねている。
そして、3日目。
朝起きたら、何だかおとなしい。箱をのぞいてみたら、お腹を上にしてこっちを見上げている。
窓際に置いたから暑かったのだろうか。
水をあげたら、ゴクゴク飲んだ。
駅に着く前に、途中の草っ原でダンゴムシを調達。
スズメを手に乗せて、口元に差し出したけど食べる気配がない。
職場に着いたらバッタも捕まえるからねー、と声をかけ、頭をなでてやった。
電車の中で、こっそりさっきのダンゴムシをあげようとしたら、ぐったり横たわっている。
持ち上げたら、首がダラリと垂れた。
職場に着いて、お墓を作ってあげた。
30分前はこっちを見上げたいた。
今は土を掛けてあげるのが嘘みたいだ。
飛びたてるまで育ててあげられなくてゴメンね。
子ススメは、最後まで一言も鳴かないまま行ってしまいました。
1 Comments:
うっく・・・。
その日までだった命が2日伸びたんだと思うよ。
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