2009-02-25

「空とコムローイ」


「空とコムローイ タイ、コンテップ村の子どもたち」
2008年/日本映画/90分
監督・撮影・編集:三浦淳子
渋谷ユーロスペースにて2月27日まで(3月7,8日追加上映)
http://www.tristellofilms.com/scom.html

タイのメーサイで、アカ族の女性や子どもたちの自立したくらしのために、イタリア人神父さんが作った村での暮らしや人々を7年間に渡って撮影した、ドキュメンタリー映画です。
撮影したのは、日本人女性。
タイの山岳民族のドキュメンタリーといえば、「デック 子ども達は海を見る」が記憶に新しいので、比較して見てしまいました。

母親がHIV感染をした子供の成長を見守る形で、7年間した映画です。
2歳の少女のあどけない仕草や、それを見守る女性たちとのやり取りなどが、多くを占めていたような気がします。旅行者の視点のような感じで、深みがあまり感じられなくて残念でした。
タイにおいて山岳民族はどういう存在なのか、なぜ、女性と子どもだけの村を作る必要があるのか、焼け出された村はその後どうなったのか、なぜ1割ものHIV感染の妊婦がいたのかなど、映画の中に掘り下げるテーマはたくさん見られましたが、さらっと通り過ぎただけでした。

監督のメッセージがいまいち見えなかったなあ。
チラシには、互いに支えあい共に生きることの大切さ、みたいな事を書いていましたが、この素材だったらもうちょっと他にもあったんだんじゃないのかという気がします。

「デック」は、メッセージがはっきりと伝わってくるだけに、ついつい、比較して見てしまいました。