2007-12-23

バーンロムサイ(チェンマイ旅行編)

バーンロムサイは、HIVに感染した子供たちが暮らす施設です。


未就学児から中学生まで、30人近い子供たちがここで暮らしています。家族と離れて暮らす子もいれば、親をなくした子、生まれも出身も分からない子もいます。
初めの頃は、発病して亡くなる子もいたそうですが、発病を抑える薬のお陰でここ数年は一人の死亡者もいないということです。

7年前に名取美和さんが開設し、日本人とタイ人のスタッフ、保母さん、ボランティアさんなどが働いています。日本語が普通に飛び交い、子どもたちはタイ語でおしゃべり…。なんとも不思議な空間です。


ここでは、バーンロムサイを一つの大きな家族として子どもたちを育てているそうです。大きくなった子は、掃除や洗濯など自分のことは自分でやり、小さい子の面倒も見てあげて、一緒に成長しているそうです。
休日には、部屋の掃除をしたり、自分が食べたご飯のお皿を洗ったりする様子を目にしました。


また、自分の個性を伸ばしていけるように、子ども達がさまざまな体験する機会も積極的に取り入れているそうです。創作もその一つで、施設内には創作室が設けられています。
ここで「アート記念日」を開催したのも、そうした環境が縁だったようです。
去年までは、毎年12月に東京で子供たちの作品展を開催していましたが、今年はお休み、来年新たな形で開催するそうです。

また、施設内では収入源や子供たちが成長してからの職場の確保のために、衣服などの製作販売とゲストハウスの運営を行っています。
代表の名取さんは、元々テキスタイルをやっていて、布を探しに来たのがきっかけだったとのことです。ですから、現地の布を使ったこだわりの衣服を製作しているようです。私はまだ服を試したことはないのですが、肌触りがよくていいそうです。実際に作っているところを見たら、私も欲しくなりました。
ここの衣類やグッズは、今年オープンした鎌倉のショップで購入できます。その他、ネット販売やデパートのイベントなどでも販売しています。


ゲストハウス
は、バーンロムサイに隣接しています。私と増井さんは、ここに滞在しました。
緑豊富な庭に、リゾート地のような感じで個性的なバンガローが複数建っています。気候のいい時期だったので、緑も花も空も美しく、朝露にしっとりと濡れた庭をすがすがしい空気を吸いながら散歩する気分は最高でした。
別棟の東屋は、キッチン、ダイニング、ふかふかソファーのリビング、カントーク付きのタイ式リビンクです。壁のないオープンスタイルなので、庭を眺めながらのんびりライフが味わえます。

バーンロムサイではHIVについて多くの人たちに関心を持って欲しいと願い、外部への教育活動や多くの人たちと接点を持つための活動をしているそうです。帰り際に、他の人たちにもバーンロムサイの話を伝えて欲しいと声を掛けられました。
僅か2、3日の滞在ででは、幸せそうな風景しか眼にすることができませんでしたが、施設の自立した運営、子どもたちが成長するにつれて訪れる新たな問題、タイ国内での教育活動など、これからも長く続く課題と向き合いながら、毎日を過ごしているに違いありません。

タイに興味がある方なら、バーンロムサイ鎌倉のショップでチェンマイの風を感じるも良し、本当の風を浴びながらのんびりライフを味わい方なら、バーンロムサイのゲストハウスを訪れてみてはいかがでしょうか。