2007-08-22

横浜美術館「森村泰昌」展、タイ人アーティスト「ユリー・ケンサク」オープンスタジオ

横浜美術館
「森村泰昌 美の教室、静寂せよ」2007年7月17日~9月17日
アーティスト・イン・ミュージアム横浜2007「ユリー・ケンサク 桃太郎ガールの冒険」2007年9月1日~17日」(オープン・スタジオは8月の毎土曜日)

土曜日は、ヨコハマ・アート三昧。
横浜美術館では、「森村泰昌 美の教室、静寂せよ」展と「ユリー・ケンサク 桃太郎ガールの冒険」滞在制作オーブンスタジオを見ました。


森村展は、展示室が順番にホームルーム、1時間目と名前が付いています。入口で音声ガイドが配られ、森村先生の解説を聞きながらの授業形式。展示室にいるのは、全員森村先生の生徒という訳です。

普段から現代アートの楽しみ方を伝える活動をしている人なので、楽しみながら学べるユニークな展示でした。関西人の自然なユーモアが効いていて、大人の知的な遊びという雰囲気でした。ホールにも、学校の机と椅子でプチ教室が出現していました。
最後の部屋は、森村先生の熱いメッセージ。くさいセリフを自虐的な笑いで包みつつ、しっかりと心に刻む森村流授業のまとめです。
終了試験は、無事全問正解の優等生でした。

館内は、ワークシートを片手の児童・生徒たちで賑わっていました。手元を覗き込んでみると、各学校オリジナルのワークシートのようです。学校との連携事業なのかもしれません。
中校生の男の子たちの会話に耳を傾けてみると、「あっちを見て、こっちを見て、最後にお土産を買って帰ろう!」うーん。かわゆい。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

午後は、タイ人アーティスト、Yuree Kensaku (ยุรี เกนสาคู) さんのレジデンスを見ました。初来日の彼女は、自分を未知の島に向かう桃太郎に例えて、桃太郎ガールの冒険のストーリーの作品を制作中です。作家さんは、本当に桃から出て来たような、ショートカットに丸顔のキュートな女の子でした。

スタジオ内は、バンコクでのドローイングや、日本で制作した既製品を使ったオブジェなどがあちこちにあって、お気に入りの物であふれる女の子の部屋のようです。
しかし、よく見るとキモ系やセクシャルな絵が目につきます。かわいいだけではない、独特の世界が表現されているようです。自分の身近な物や日常の体験を元に、個人的な視点で制作している感じでした。

彼女のような、アニメや既成の小物を素材にした作品は、ポップカルチャー(大衆文化)というらしいです。ちょうど、福岡アジア美術館で「ポップ魂~現代美術と大衆文化~」という展覧会を開催しているようです。今、こういう作品が注目されているみたいですね。現代アート展に行くと、若いアーティストの作品は皆同じようにみえるのは、ジェネレーションギャップなのかしら。トホホ。
特に、ワタリウムの「ボロボロ ドロドロ 帰ってきた日本のサブ・カルチャー」は、国は違うのにかなり共通していました。アジアは、大人もアニメやカラフルな小物などが大好きなので、こういう文化を違和感なく取り入れる素養があるのかもしれません。

この日は、ドローイングで作ったぬりえのワークショップが行われていました。実際に塗ってみると、ドローイングの細部が分かって面白かったです。
私はキモ顔の奈良ガールをキモ色に塗りつぶしてあげました。まりこさんはぬりえなのに草間彌生風模様を書き足して更にキモ系に仕上げ、かわいいーと満足気。さすが、作家さんと同い年!
ぬりえは9月1日からの展覧会で、ユリーさんの作品と一緒に展示されるそうです。

ちびろうさんとタイ語でお話するユリーさんは、リラックスした表情でした。
日本を冒険したピーチガールのユリーさん、日本でたくさんのものに出会ったようです。



今後の予定は、次の通りです。
http://www.yaf.or.jp/yma/exhibition/2006/artgallery/01_AIM/blog/
オープン・スペース&ワークショップ 8月25日(土)
アーティスト・トーク 9月1日(土) 16:00~17:00
展覧会 9月1日~17日(滞在は9月4日まで)
※ボランティアも募集中です。詳細は美術館公式サイトをご覧ください。